仕事でもプライベートでも、初対面の相手には良い印象を持ってもらいたいもの。好印象を引き寄せるべく会話の話題・内容・話し方に力を入れるのも大切ですが、会話中の自分の動きやしぐさを意識したことはありますか?
表情や動き・何気ないしぐさや視線などの言葉を持たないコミュニケーションツールは、時として言葉以上に伝える力を発揮します。こういった『非言語コミュニケーション』を意識しなければ、どんなに話の内容が良くても好印象に繋がらない場合も多々あります。
この記事では言語に頼らないコミュニケーションに焦点を当て、初対面の相手の無意識レベルで好印象を引き寄せるコツをご紹介します。自分の無意識を意識して、初対面の会話で好印象を残しましょう!
もくじ
非言語コミュニケーションとは?
非言語コミュニケーションとはノンバーバル・コミュニケーション(Non-Verbal Communication)とも言われ、言葉を使わない意思伝達方法を指します。声を出し会話で言葉を交わすだけがコミュニケーションではありません。普段あまり意識することのない、何気ないしぐさや視線・表情・身振り手振り・体全体の動きも、言葉以外のメッセージとして相手に送られているのです。
たとえば「ありがとう」と言うとき、表情が明るく笑顔であれば「感謝されている」と感じてもらえるでしょう。しかし真顔で伏し目がちに言われると「なにか悪いことでもしたかな…」と相手は不安になってしまいます。このように、「ありがとう」と言うときの表情や視線(非言語コミュニケーション)によって、相手の受け取り方は大きく変わります。
人は言葉を交わしつつ、相手の顔色などの非言語コミュニケーションツールから送られるメッセージを受けとって、目には見えない感情を読み取り理解しようとします。言葉だけでは分からない好意や嫌悪を察知し、距離感・空気感を調整します。
初対面の会話で非言語コミュニケーションを意識して、「良い関係を築きたい」「あなたに興味がある」というコミュニケーションに前向きな姿勢をアピールしましょう!
目を合わせて会話をする
「目は口ほどに物を言う」といわれるように、視線は言葉以上に分かりやすく感情や思考をあらわします。
人は好意を持つ相手に対して無意識に視線を向ける傾向があるため、目を合わせて会話をすることで「あなたに好意がある」「意識はあなたに向いている」という意思表示をすることができます。目が合わないと何か他のことに興味があるように捉えられたり、「自信が無さそう」「退屈そう」などマイナスの印象を受け取られてしまいます。視線は人の意識や意識の方向をあらわします。初対面の会話中、相手に視線を向けるよう意識しましょう。
しかし目を合わせて会話をすると言っても、一瞬も目を逸らさず凝視する必要はありません。会話中ずっと凝視されると相手はプレッシャーを感じ、逆に話し辛くなってしまいます。見つめ過ぎず、適度に視線を外しながら会話をするのがベスト!
適度に視線を外すコツ
視線を外すときのコツは、相手の近くに視線を外すこと。全く違う場所を見たり左右に大きく目線が逸れると、話を聞いていないと思われたり、別のことを考えているように見えることがあります。視線を外すときは、手元や首元・鼻のまわりなど相手の近くに視線を外すと自然です。
「適度に視線を外す」この適度が難しい!と感じるときは、会話の中で自分がうなずく時や相槌を入れるタイミングで視線を外してみてください。このときチラチラせわしなく目を逸らすのではなく、ゆっくり視線を動かすと落ち着いて聞いている雰囲気を出すことができます。
視線を合わせるコツ
視線を合わせるときのコツは、相手の片目に焦点を合わせること。両目を見ようとすると焦点が定まらず、自分自身もどこを見ているのか分からなくなることがあります。また眉間に視線を向けることでも、相手は目が合っているように感じます。
会話中目を合わせることに恥ずかしさを感じるかもしれませんが、目を合わせることは「あなたとコミュニケーションを取りたい」という前向きな気持ちのアピールにもなります。何事も積み重ね、練習が必要です。苦手・恥ずかしいと感じる場合は、家族や親しい友人など何気ない普段の会話の中で練習を繰り返しましょう。
相手の話を遮らない
会話上手は聞き上手!初対面の会話では聞き手に回ることをオススメします。
話を聞くときは、相槌を入れることはあっても遮ることのないように注意しましょう。相手の話の途中に自分の話を始めてしまったり、話を止めてしまったり。話を遮られると相手は話す気を失ってしまいます。気分が良くなることはありません。途中で自分の意見や考えを言いたくなっても、一旦相手の話を受け入れて切りの良いタイミングを待ってみてくださいね。
ひとまず相手の話に興味を持って最後まで聞いてみること。話の腰を折らないように注意して、相槌を入れたり質問を投げかければ会話が盛り上がります。初対面であっても、話をよく聞いて相手が何に興味感心があるのか分かれば、次の話題を振ることも出来ます。初対面の会話では、話を遮らず相手メインで会話を進めてみましょう。
会話中の姿勢を意識する
姿勢は明るさ・やる気・自信など、人の内面をうつす鏡。
初対面で会話をするときに背筋を伸ばし姿勢良く接するだけでも、きちんとしてそうなイメージや前向きでポジティブな印象を与えることができます。逆に背筋が曲がり姿勢が悪いと「元気がなさそう」「頼りない」「仕事ができなさそう」など、本当は明るく気さくで仕事が出来る人物だとしてもマイナスの印象を持たれてしまいます。特に猫背は視線が下がりやすく、自信が無いように見えたり暗い印象に繋がりやすいので注意しましょう。
また、姿勢は話し方や声・発する言葉にも影響します。背筋を伸ばして胸を張り、少し顎を引く。これだけでも声がこもらず大きな声で発声できたり、声に自信があらわれます。自分に自信のある人が姿勢が良いというイメージがありますが、良い姿勢を意識するからこそ自信がみなぎり、ポジティブな言葉も出てきやすくなるのです。普段から美しい姿勢を心掛け、初対面の会話も胸を張って臨みましょう。
からだを相手に向ける
初対面の相手と自分が座っている場所にもよりますが、会話中はできる限り相手に体を向けましょう。背もたれに背中を付けて体を後ろに倒すと、退屈そうな印象を与えることがあるので注意が必要です。
体を向けるときはピッタリ真正面よりも、ほんの数センチ横にずれることで相手は無意識に話しやすさを感じます。また、人は興味があるものを見たり聞いたりするときに前傾する傾向があるため、会話中に体を相手に向けると同時に少しだけ前傾するとより分かりやすく自分の興味を伝えることができます。
自分に興味を持ってもらえていることが分かると、誰しも嬉しく感じるもの。会話中のからだの向きを意識して、初対面の相手に興味の度合いを視覚から伝えましょう。
会話中の動きを合わせる
人は自分と似ているものに親近感を覚え、好感を持ちます。ミラーリングとも言いますが、初対面の相手の動きを真似て『なんか似てる…!』を自ら演出し、無意識レベルで好印象を引き寄せましょう。
たとえば会話のなかで、相手がコーヒーを飲んだら自分も飲む。相手がテーブルに手を置いたら自分も置く。コツはピッタリ同じタイミングではなく、数秒ずらすこと。相手と全く同じ手の角度で、位置も合わせて…と寸分狂わず同じように真似すると違和感を感じさせてしまうため、右手左手を合わせる必要もありません。
ミラーリングといっても、100%完璧に相手の動きをコピーする訳ではありません。相手が足を組んでからコーヒーを飲む、あなたは逆にコーヒーを飲んでから足を組む。これでもOKです。「何となく似てる…!」を自然に作り出しましょう。ミラーリングのコツは、会話をしながら何気なくとにかくこっそり真似することです。
話すスピードを合わせる
初対面の会話となると、緊張や焦りも相まってつい話すスピードが速くなりがち。まくし立てるような話し方や早口は相手を疲れさせてしまったり、せわしない・落ち着きの無い印象を与えてしまいます。
話すスピードやトーン・ボリュームも相手に合わせると、話しやすさを感じ好印象を持ってくれます。基本的には相手が聞き取りやすいようにゆっくり話し、もし相手が少し早口なら自分に無理がない程度に相手に合わせてみましょう。相手のテンポを上回らないようにすれば、話しやすさを感じてもらうことができます。
うなずいて相槌をうつ
会話中に相手が「話を聞いてくれている」と目で見て分かるように、話を聞きながらうなずきを入れましょう。
速く・ゆっくり・大きく・細かく・深く・浅くなど、うなずきと一口に言っても何パターンかあります。会話の内容や相手の感情に合わせて使い分けましょう。状況によっては「うん」「はい」「ええ」「あー」「ふむ」「へー」などの相槌を打ちながらうなずくと効果的。
注意点はうなずきを会話中むやみやたらと繰り返すと、適当に聞いているような印象を与えてしまうこと。たとえば真剣な話を聞いている時に「はいはいはい」と3回以上繰り返すことは避けた方が無難です。
会話中の癖に注意
たとえば、会話中つい癖で腕を組むことはありませんか?ジェスチャーによっては、本人にそんなつもりがなくても「偉そう」「見下している」というような印象を持たれていることがあります。無意識の癖であっても、知らず知らずのうちに相手を威圧してしまっているかもしれません。
初対面では特に、マイナスに受け取られそうなことはやらないが吉。他にも貧乏ゆすり・ずっと髪を触っている・揺れているなど、ひとたび動きが気になり始めるとその後ずっと目に付き、不快感を与えてしまう動作は結構多いのです。なかでも相手を指さすのは厳禁。話が弾むとつい「それ!分かります!」と相手を指さしていませんか?高圧的な態度と取られ、無意識のうちに好印象から遠ざかっている可能性があります。
しかし、人と会話をしているときの癖やしぐさは自分では気付き辛いもの。この機会に、家族や友人に挙動について聞いてみてはどうでしょうか。
まとめ
初対面の人との会話は、いつでもドキドキ。話し慣れた人との会話とは違い、緊張感のある状況で違和感なく身体を動かすためにはやはり練習が必要です。今回ご紹介したコツは、初対面の会話でなくても普段の会話の中でも練習することが出来ます。
練習のコツは、すべて一気にやろうとせず「今回は視線を意識」「今回はうなずきを意識してみよう」という風に1つ1つ実践すること。何度も繰り返すうちに心にも余裕ができます。反復することで体が動きを覚え、初対面という緊張感の中でも違和感なく動けるようになるでしょう。ゆっくり自分のペースで実践してみてくださいね!
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