印象は挽回できる?悪い第一印象を好転させる心理効果と挽回の秘訣とは

人間関係のスタート地点となる第一印象。少しネットで調べるだけでも、第一印象がいかに重要かを説明した記事や良い第一印象を与えるポイントが出てきます。だからこそ、初対面で「失敗した…」「悪い印象を与えてしまった…」そんなとき、取り返しのつかないことをしてしまったような気分になることがあります。

スムーズに人間関係を築きたいと思ったとき、たしかに第一印象は良いに越したことはありません。しかし、いつ何時も完璧な印象を与えられる人もいません。この記事では、「第一印象は挽回できない」「良い人間関係を築くのは難しい」と思い込み人間関係を早々に諦めそうな人へ、悪い第一印象を好転させる心理効果と挽回の方法をお伝えします!


悪い第一印象を挽回する心理効果とは

どうも、ちか(@Chika_chm)です!

『初対面の第一印象は悪かったけど、何度か接するうちに良い面が見えて印象が変わった』過去にこんな経験がありませんか?第一印象で好感度が落ちたからこそ、次で高い評価を得るチャンスがあります。まずは悪い第一印象を抱かれても挽回できる心理効果から見ていきましょう。

ゲインロス効果

悪い印象を持たれている人が良いことをすると格段に評価が上がることを『ゲイン効果』、良い印象を持たれている人が悪いことをするとガクッと評価が下がることを『ロス効果』といいます。

ゲインロス効果に関して最も有名とされているのは、1965年にアメリカの心理学者エリオット・アロンソンとダーウィン・リンダーが、評価と印象の変化について調べた実験結果です。この実験では、被験者のミネソタ大学の女子学生が男子学生(サクラ)と1対1で面談を行い、次の4パターンで評価を受けました。

  1. 高評価 → 高評価
  2. 低評価 → 低評価
  3. 高評価 → 低評価
  4. 低評価 → 高評価

①は終始高評価、②は終始低評価。③は高評価から入り、低評価で終わる。④は低評価から入り、高評価で終わるという内容です。その後、評価を受けた女子学生に男子学生の印象・好感度を確認。女子学生の、男子学生に対する評価を数値にすると以下の通りです。

  1. 高評価 → 高評価 +6.42
  2. 低評価 → 低評価 +2.52
  3. 高評価 → 低評価 +0.87
  4. 低評価 → 高評価 +7.67

①~③のパターンで評価されたときよりも、『④.低評価 → 高評価』で評価を受けたときの方が、女子学生は男子学生に好印象を抱いているということが分かります。まずここで注目したいのは、印象は変化するということ。そして悪い印象からのスタートだったからこそ、良い印象でスタートしたときよりも、高いレベルで好印象を抱いたということ。

これを第一印象に置き換えてみると、悪い第一印象を与えてしまったときの方がより高い好感度を得られるチャンスがあるということです。最初から良い第一印象を与えられればもちろん好感度は高いのですが、それ以上の好感度を獲得できる可能性があるのは、悪い第一印象を与えてしまった人だけの特権です。それでは、印象を挽回する『ゲイン効果』を参考に、具体的に行動するポイントを押さえていきましょう。

第一印象を挽回するためにやるべきこと

ゲイン効果とは、言わば『ギャップ』のことです。マイナスとプラスの振り幅が大きければ大きいほど、相手の心に強い印象を与えることができます。見た目が怖い感じなのに子猫を抱いていたら「優しい…」と心打たれるように…。冷たい感じだったのに凹んでいるときに励ましてくれると「良い人…」と心揺れ動くように…。第一印象と違う行動をとることで、その行動をより鮮明に印象付けることができます。

大切なことは、良い意味で相手の予想を上回る行動をとること。「○○な人間だと思われてるんだろうな…」と予測する、『○○』の逆をいくことです。相手が抱いているであろう悪い第一印象を、ポジティブに裏切っていきましょう。第一印象が悪いからこそ、その後些細なことでも良い評価をされ相手の見る目が変わっていきます。それではここで、ゲイン効果と相性の良い『スリーセット理論』をご紹介します。

【合わせ技で一本!】覚えておきたいスリーセット理論

スリーセット理論は、イギリスのセントアンドリュース大学で実験・提唱された理論です。内容を簡単に言うと「人は3回で人の印象を決める」というもの。「初対面で悪い第一印象を与えてしまった」という人の背中を押してくれるゲイン効果、さらに挽回に希望を持たせてくれるスリーセット理論をご紹介します!

●1回目で決まる印象

まず1回目に会ったときに、視覚情報・聴覚情報・言語情報から第一印象が決まります。具体的にどの部分が印象の参考にされているかというと、パッと見の見た目や相手の耳に入る声・使う言葉や話す内容など。この中でも一番印象に大きな影響を与えるのは『視覚情報』です。

第一印象といえば『メラビアンの法則』が有名ですが、それを参考に初対面で好印象を与えるポイントを別記事で詳しくまとめています。是非こちらもご覧ください⇒第一印象は何秒で決まる?心理学メラビアンの法則から学ぶ好印象の秘訣とは。

●2回目で印象の再確認

人は2回目に会ったとき、1回目の情報をもとに印象を再確認します。自分が初対面で抱いた第一印象は正しかったのか、無意識にすり合わせが行われます。この2回目が、悪い第一印象を挽回する肝となる部分です。

ここで先程のゲイン効果を利用して、悪い第一印象をポジティブに裏切る行動をとると相手の中でギャップが生まれます。第一印象と2回目に会ったときの印象の差が大きければ大きいほど、相手は新たな一面を魅力的に感じるのです。

ちなみに初対面で話した内容を話題に出すと、挽回の確率も更に上がります。相手の好きなもの・話題・得意なことなどを2回目会ったときに切り出すと、相手は自分に興味関心が向いていることを実感します。些細なことでも覚えてもらえるというのは嬉しいもの。これも第一印象の挽回を後押しするポイントですので、可能であれば初対面のときに交わした会話を思い返してみてくださいね。

●3回目で印象の再々確認と確定

3回目で、2回目に会ったときにほぼ確定となった印象の最終確認が行われます。2回目でギャップを与えたときのスタイルを崩さず接しましょう。引き続き良い印象を与えられるような行動発言を意識すると、ギャップは安心感に変わります。

ここで確定した印象は、4回目以降ほとんど変わりません。1回目で良い第一印象を与えられるに越したことはありませんが、2回目・3回目にこそ大きなチャンスがあるということがお分かり頂けたのではないでしょうか。

挽回一覧!

悪い第一印象といっても人により千差万別だと思いますので、『挽回一覧』なるものを作ってみました!是非参考にしてみてください。

  • 怖い第一印象 → 優しい行動で挽回
  • 冷たい第一印象 → 励ましの言葉で挽回
  • 不愛想な第一印象 → 笑顔で挽回
  • 失礼な第一印象 → 礼儀正しい振る舞いで挽回
  • 馴れ馴れしい第一印象 → 謙虚な態度で挽回
  • 不潔な第一印象 → 清潔感を纏って挽回
  • だらしない第一印象 → 見た目をバチっと決めて挽回
  • 元気のない第一印象 → 爽やかな挨拶をして挽回
  • やる気のない第一印象 → 率先して動いて挽回
  • いい加減な第一印象 → テキパキ動いて挽回
  • 落ちつきのない第一印象 → 堂々と接して挽回
  • 自信のない第一印象 → 話し方を改善して挽回
  • ネガティブな第一印象 → 使う言葉を変えて挽回
  • 威圧的な第一印象 → 感謝の言葉で挽回
  • うるさい第一印象 → 落ち着いたテンションで挽回
  • 内気な第一印象 → 自分から話しかけて挽回
  • シャイな第一印象 → 笑顔で挨拶から挽回
  • 人見知りな第一印象 → 短い会話からトライして挽回
  • 気弱な第一印象 → たまに自分の意見を言って挽回
  • 暗い第一印象 → 姿勢と明るい表情を意識して挽回
  • 自己中心的な第一印象 → 相手の意見を尊重して挽回
  • いかつい第一印象 → 子猫をひろって挽回
  • 近寄りがたい第一印象 → おばあちゃんの荷物を持ってあげて挽回
  • 不親切な第一印象 → 雨の日に傘を忘れた人を自分の傘に入れてあげて挽回
  • 臭い第一印象 → 消臭対策をして挽回

まとめ

この記事では、第一印象が悪いからこそのメリットや、チャンスも意外と多いということをお伝えしました。最初から良い第一印象を与えるときよりも、悪い第一印象から挽回した方がより魅力的に感じてもらえる可能性が高くなります。第一印象が大事なのは事実ですが、そこで失敗してもお終いではありません。「第一印象は挽回できる!」「良い人間関係を築ける希望はある!」ということを忘れず、果敢にトライしてみてくださいね。

しかし意外と盲点なのは、第一印象が悪い人ほど自分の印象が悪いなんて夢にも思わないということ。「第一印象が悪い人とは…?」という疑問を抱いたときは、『仕事で損する第一印象が悪い人の11の特徴と改善方法』で特徴と改善方法をまとめていますので是非ご覧ください!

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