人前に立つと、緊張して声が震えたり噛むことってありますよね。私もツアーコンダクターとして人前でマイクを握りはじめた最初の頃は、緊張のあまり噛みに噛み倒したものです。「今日は噛まずに話してみせる!」と張り切って臨むときほどなぜか不思議と噛んでしまうんですよね…!
この記事では緊張して噛むことに悩んでいる人へ、人前で噛む理由と対処法をご紹介します。この記事を読み終わるころには、人前で話すときに試してみたくてうずうずしているはず…!では、さっそく見ていきましょう。
もくじ
人前で緊張すると噛む理由とは?
顔の筋肉が強張っている
人前で噛む理由としてまず挙げられるのが、顔の筋肉が緊張状態にあることです。顔や口・舌などが話す準備が出来ていない状態の場合、いざ話そうと思っても上手く動いてくれません。人前に立つ緊張も相まって、顔の筋肉はガチガチ。
人前で話す機会がそう多くない人にとっては、人前に立つこと自体が非日常。何の準備もせずに臨めば、緊張で顔の筋肉が強張り噛むのも無理はありません。
早口
言葉数が増えて早口になればなるほど、話すスピードに口の動きがついていけず噛むことも多くなっていきます。人前で緊張すると早口になりがちですが、噛みやすいだけでなく落ち着きがないように見えたり何を言っているのか聞き取れず理解してもらえないリスクもあります。
人前で早口になるのは「人前に立つ時間を短くしたい」「一刻も早く終わらせたい」「この場を立ち去りたい」という気持ちのあらわれかもしれません。しかし早口も噛みやすい理由のひとつ。意識的に改善すべきポイントだと言えます。
過去の経験
人前に立ったとき、過去にうまくいかなかった経験が今に影響していませんか?過去に人前で噛んだときに笑われたり馬鹿にされた経験がトラウマになり、人前に立つだけで過度な緊張状態に陥ることも噛む理由として考えられます。
日常生活のなかで思い出すことはなくても、人前に立った途端にその時の記憶が鮮明にフラッシュバックする。過去の経験が良くない思い出やトラウマとして記憶されていることも、人前で緊張して噛む理由のひとつです。
人前で噛むことへのイメージを変えよう!
あなたは人前で噛むことにどんなイメージを持っていますか?恥ずかしい・見られたくない・カッコ悪い・緊張がバレる・悪いこと…などなど、「噛む」ということに良くないイメージを持っている人は多いのではないでしょうか。人前で噛むことに対する自分の考え方を変えるだけで改善されることもあります。まずは噛むことへのイメージを変えましょう!
噛むのは悪いこと?
「人前で話すときに緊張して噛む」これを悪いことだと思っていませんか?「人前で噛む=悪いこと」と認識したままだと、いざ噛んでしまったときに焦りが倍増してしまいます。
実際聞いている方は、話し手が何回噛んだとかどこで噛んだかなんて覚えても気にしてもいないもの。噛む噛まないよりも、どちらかというと話し方や内容の方が印象に残ります。それに人前での緊張や噛むことに悩むのは自分ひとりではありません。誰もが一度は経験し、同じように緊張して噛んできたのです。噛むのは自分だけではないし、悪いことでもないと心得ておきましょう。
噛まないように意識するのはやめよう
「絶対に噛まない!」と決めて言い聞かせることは、自分で自分に「噛んだらおしまい」というプレッシャーを掛けるようなもの。実際私がそうだったように、意識すればするほど余計に噛んでしまいます。挙句の果てに「今日も噛んでしまった…」というショックで気持ちまで落ち込むことになりかねません。
人前で噛みたくないからといって、「絶対に!」「完璧に!」とは思わないようにしましょう。噛むのもご愛嬌。ロボットのように一言一句違わず話そうとせず、いっそ噛んで笑ってはにかんで人間らしくいきましょう!
そもそも噛むって日常的なこと
実は人前で「噛む」って思いのほか日常的なことです。「緊張するから噛む」と考えがちですが、友人や家族との何気ない会話のなかでも噛むことはたくさんあります。日々の会話を思い出してみてください。思い出せないくらい自然に、頻繁に嚙んでいるものです。人前で噛むことは恥ずかしいことでも何でもありません。日常的で自然なことです。
緊張しているから噛むというのは、ただの思い込みかもしれません。噛むなんて今に始まったことじゃない、「いつものこと」くらいの気持ちで深刻に考えないようにしてみてはどうでしょうか。
緊張で噛まないための6つの対処法
ストレッチをする
運動をする前に準備運動をするように、話す前にも顔の筋肉をほぐしてあげると話しやすくなります。人前に立つ前に、顔面ストレッチで筋肉の緊張をほぐしましょう。
あいうえおストレッチ
これはその名の通り「あいうえお」で顔の筋肉を動かすストレッチです。
「あ」は上下に大きく口をあけて、「い」は歯を見せて思いっきり口角を上げる、「う」は唇をすぼめて限界まで前に突き出す…などなど、顔全体の筋肉を刺激するつもりで大げさに顔を動かすのがポイントです。「あいうえお」それぞれ3秒ずつキープして、人前に立つ前にゆっくり筋肉を緊張をほぐしましょう。
人前で話す前に行うルーティンを作る
プレッシャーを感じる状況下でも、条件反射的に平常心を取り戻す一種の集中法として知られているルーティン。例えば野球選手がバッターボックスに入る前や卓球選手がサーブを打つ時など、毎回同じ動きをしている人を見たことがありませんか?スポーツ選手に限らず人により様々なルーティンがあり、色々な場面で活用することができます。
私がツアーコンダクターをしていた時は、いつもマイクを持ってから深くゆっくりと一礼をしてから話し始めていました。その深々と一礼をする数秒の動作が私にとってのルーティンであり、話しはじめる前に気持ちを落ち着かせていつも通りを取り戻すお決まりの動作でした。人前での緊張を和らげるためにも、自分にしっくりくるお決まりの動作「ルーティン」を取り入れてみましょう!
ゆっくり大きな声で話す
緊張状態にあるとき無理にリラックスしようとしたり、噛まないように話そうとすると変に力が入って失敗してしまいます。リラックスや人前で噛まないことを意識するよりも、ゆっくり話すことを心掛けてみましょう。
口を大きく開ける、声のボリュームを上げる・話すスピードを遅くするだけでも噛みにくくなります。「落ち着け…」「リラックス…!」と言い聞かせてメンタル面をコントロールしようとするよりも、ゆっくり話すことに集中する方が簡単です。また背筋を伸ばすと声も出やすく、自信を持って話しているように見えるので言葉に説得力も生まれます。
- 口を大きく開ける
- 大きめに声を出す
- ゆっくり話す
- 背筋を伸ばす
たくさんの人に見られているという視線の圧に負けないように、話し方や姿勢・見え方も意識してみてくださいね!
使い慣れた言葉を使う
定型文や誰かに作ってもらった文章を読み上げるなど、自分にとって慣れない言葉を話そうとすると噛みやすくなります。ましてや人前に立ち緊張した状態。咄嗟に出てきやすいのは自分が使い慣れた言葉です。語尾や使う言葉などを、自分の話やすい言葉に置き換えてみてください。
また文章を端から端まで丸暗記して話そうとすると、少し間違えただけでその先が思い出せず頭が真っ白…!なんてことにもなりかねません。伝えたい要所やキーワードを頭に入れて、それ以外は自分の話やすい言葉でつないだ方が楽に話せます。
慌てて言い直さない
もし噛んだときは、慌てて言い直そうとせず一呼吸おきましょう。急いでカバーしようと焦る必要はありません。大きく呼吸をして、ゆっくり言い直せばOKです。噛んでしまったことは事実。どうせ逃げも隠れもできないのですから、堂々とゆっくり言い直しましょう。
私の場合はゆっくり言い直しても、またゆっくり噛んでしまうこともよくありましたが…(笑)。それでもゆっくり言い直すことで、何とか伝えようとする懸命さは伝わります。自分が思うよりずっと、聞き手は温かい目で見守ってくれているものです。
場数を踏む
人前で緊張しても噛むことなく話せるようになるには、慣れるまで場数を踏むことも大切です。最初は話そうと決めたことを話すだけでいっぱいいっぱい。それでも場数を踏むうちに、人前で話す内容以外のことも意識する余裕が生まれます。
とにもかくにも場数を踏むこと。最初から上手くはいきませんし、突然噛まなくなるわけでもありません。いつまで経っても人前に立つのは緊張しますが、回を重ねるごとに緊張は和らぎ徐々に噛む回数も少なくなります。
まとめ
まずは人前で噛むことに対する認識を変えて、対処法を実践しながら場数を踏むこと。試行錯誤しているうちに、噛む・噛まないなんて気にすることなく人前で話すことを楽しめる日がやってきます。悩んでいても始まりません。できることから一つずつ実践していきましょう!
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