緊張で吐き気に襲われやすい人の特徴とは?吐き気の原因と有効な対処法

緊張をストレスに感じると、身体には様々な症状が表れます。赤面・震え・発汗など人により異なりますが、中でも辛いのが吐き気ではないでしょうか。ほど良い緊張感はパフォーマンスを向上させますが、緊張がストレスになると吐き気を引き起こす原因になってしまいます。吐き気が起きると精神的余裕が無くなるだけでなく本当に体調も気分も悪くなり、症状の重い人は話すことはおろか立っていることも出来なくなる場合もあります。人前で吐き気に襲われることほど辛いものはありませんよね。


この記事では緊張で吐き気に襲われやすい人の特徴から、原因や対処法をご紹介します。まずは吐き気が起きる原因から見ていきましょう!

そもそも吐き気はなぜ起きる?

吐き気とは、腹部上部に不快感を覚えた時に嘔吐を促す不快な感覚のことを言います。脳にある嘔吐反射中枢という神経が緊張により刺激を受けることで、吐き気を引き起こす信号が発信されます。神経への刺激の程度によって症状は異なり、刺激が軽い場合は吐き気や胃のむかつき、刺激が重い場合は嘔吐を引き起こます。嘔吐反射中枢を刺激する要因は「消化器の不調」「平衡感覚の乱れ」「精神的ストレス」大きく分けてこの3つ。「緊張で気持ち悪くなる」「緊張すると吐き気を催す」という人は、精神的ストレスが原因の可能性が高いと言えるでしょう。

消化器の不調

吐き気を引き起こす最も代表的な原因として、消化器の不調が挙げられます。食べ過ぎ・飲み過ぎなどで胃に負担が掛かると、胃の粘膜に炎症が起きて吐き気を催します。また二日酔いの時に気持ち悪くなったり吐き気に襲われることがありますが、アセトアルデヒドと呼ばれる有害物質(肝臓がアルコールを分解する時に出来る物質)の解毒が間に合わなくなると、身体の防衛機能が働いて吐き気を引き起こすのです。他にも腐った食品や毒性のある食品を口にすると、有害なものを吸収せずに排除しようとする防御機能が働き、嘔吐や吐き気を引き起こす場合があります。

平衡感覚の乱れ

自転車・車・船・飛行機などによる乗り物酔いや、めまいを感じた時に吐き気を催したことはありませんか?私たちの身体の平衡感覚のコントロールは、上下左右の揺れや回転・速度などの刺激を感じ取る前庭器官(ぜんていきかん)が担っています。内耳にある前庭器官は嘔吐反射中枢と繋がっており、この器官が揺れを異常な刺激と感じると平衡感覚が乱れて乗り物酔いやめまいを引き起こし、嘔吐反射中枢が刺激を受けて吐き気を催します。消化器の不調と同じく、吐き気の原因として良く知られているのが平衡感覚の乱れです。

精神的ストレス

消化器の不調や平衡感覚の乱れに比べると一般的ではありませんが、精神的なストレスを感じた時や心理的な問題が原因で吐き気を引き起こす場合があります。これは心因性嘔吐と呼ばれ、心理的苦痛に対する反応が吐き気となって表れるものです。緊張・焦り・不安などが高まると感情と結びついている大脳皮質を介して嘔吐反射中枢が刺激され、吐き気を引き起こすのです。緊張で吐き気を催す人は、体調的な問題では無く心因性嘔吐の可能性が高いと言えるでしょう。

緊張で吐き気に襲われやすい人の特徴と対処法

緊張を強いストレスに感じる人は、気分が悪くなったり吐き気を催すなどの症状が表れます。吐き気を引き起こすほど緊張してしまう原因を、人前で吐き気に襲われやすい人の特徴から探っていきましょう。精神的ストレスが吐き気の原因として考えられる場合は、考え方を変えることが吐き気を押さえる対処法になります。

完璧主義者

緊張で吐き気に襲われる人は、真面目な完璧主義者であることが多いようです。向上心や周囲から認められたい気持ちが強く、中途半端で不完全な自分を恥ずかしい・許せないと感じる傾向にあります。完璧主義な一面が無意識に緊張を高めて自分を追い込み、嘔吐反射中枢が刺激された結果吐き気が起きていることが考えられます。自分に求めるものが大きければ大きいほど、人前に出た時の緊張感は高まります。精神的に自分を追い込み緊張を毒に変えるような完璧主義はやめてしまいましょう。

完璧を目指す向上心があるのは素晴らしいことですが、自分の求める理想が高すぎると苦しくなってしまいます。また完璧主義者は周囲が何とも思わないような些細なマイナスポイントを一大事のように感じ、「自分は何も出来ない」「何て無能なんだ…」と自信を無くしてしまう自滅タイプでもあります。今の自分が100点満点でなくても、出来ていることをしっかり認めて自信を持ちましょう。人には個性があり、感じ方も十人十色です。点数も正解も評価も、人により場所により環境により変わります。自分が100点だと思っていることも、他人から見れば30点かもしれません。自分の中で決めた完璧の基準や理想が、考え方の違う人に完全否定されることもあるでしょう。完璧主義をやめても何ら困ることは無い上に、緊張を過度なストレスに感じなくなります。吐き気の対処法として、ゴールの無い完璧主義をやめて物事を楽に考えてみてはどうでしょうか。

失敗に対する恐怖心が強い

緊張で吐き気に襲われやすい人は、人前で失敗することに対して異常に強い恐怖心を持っていることが考えられます。人前に出ると無意識に「失敗したらどうしよう」という不安な気持ちが沸き上がる傾向があり、失敗に対する恐怖心と共に緊張感も高まっていきます。不安が強い恐怖心や極度の緊張に変わり精神的に追い込まれることが、吐き気を催す原因として考えられます。

「もし失敗したら…」と考え過ぎるのは良くありませんが、どうしても失敗が怖いと感じる人は一度失敗した時のことをこれでもかというくらい考え倒してみてください。万が一失敗したらどうするのか、どう行動するのかを具体的に考え「失敗しても大丈夫」と思えるところまで突き詰めましょう。失敗したからといって死ぬ程の一大事にはなりませんし、落ち着いて考えれば対処法も見つかるはず。失敗したとしても「上手くいかない方法がひとつ分かった」と捉え、ステップアップに繋げることが大切です。また、失敗を「恥ずかしい」「見られたくない」「カッコ悪い」と感じるかもしれませんが、人間は他人の失敗なんてすぐに忘れてしまいます。逆に、他人の失敗を覚えているかと聞かれても思い出せないことがほとんどで、思い出したとしても大したことでは無いはずです。自分の中でいつまでも忘れられない失敗や恥ずかしい失敗あったとしても、他人はその大半を覚えていません。自分の失敗を誰よりも長く覚えているのは自分自身。良い経験をしたと前向きに捉え、失敗を糧としてどんどん成長していきましょう。

自意識過剰

「見られている」という意識の強い人は、緊張しやすく吐き気にも襲われやすいと言えます。周囲の視線を適度に感じて背筋が伸びるくらいなら問題ありませんが、自分への評価や視線を意識し過ぎると極度の緊張状態に陥ってしまいます。「良く思われたい」「評価されたい」と思うのは自然なことですが、ガチガチに緊張して吐き気を催すほど評価や視線を意識するのはやめましょう。

「見られている」と思うと余計に緊張してしまうものですが、そもそも人はそこまで関心を持って他人のことを見ていません。「変に見えていないかな」「どう思われているんだろう…」など不安な気持ちや吐き気に襲われている最中、相手は全く関係のないことを考えているかもしれません。「今日は良い天気だな…」「お腹空いたな…」と意識が完全に他の事に向いていることもあるでしょう。自意識過剰で吐き気を催す人は悪い方向への想像力が豊かで、自分が良い評価を受けているなんて夢にも思いません。しかし、自分と接している相手が頭の中で何を考えているかなんて分かるはずがないのです。見られているという思い込みは、いたずらに気力と体力を消耗させてしまいます。自然体で自分の力をしっかり発揮する為にも視線や評価を意識するのはほどほどに。評価がどうしても気になる人は「良く思われているに違いない!」とポジティブに考えて、自分の勝手な妄想で自分の首を絞めることのないようにしましょう。

体調を整えて吐き気に備える

精神面が原因の場合は体調が良くても吐き気を催しますが、体調が悪いと軽い緊張でも吐き気に繋がってしまいます。体調を整えておくことで損はしません。人前で極端に緊張しないように考え方を変えることもひとつの対処法ですが、吐き気が起きにくくなるように体調を整えることも大切です。

朝ご飯を食べる

緊張で吐き気が起きることを警戒して、朝ご飯を抜いたりしていませんか?吐く物がお腹に無ければ吐き気が起こらないという訳ではありません。むしろ何も食べないと身体は低血糖状態になり脳に血液が回らない為、吐き気を引き起こす原因が増えてしまうのです。吐き気を押さえる為にも、よく噛んで少量でも朝食を食べましょう。

自律神経を整える食材を食べよう!

緊張で自律神経が乱れると、発汗や吐き気など身体に様々な症状が表れます。自律神経を整える効果のあるビタミンやカルシウムを多く含む食材を意識的に摂取して、体内から吐き気対策をしていきましょう。ビタミンは野菜や果物に多く含まれており、カルシウムは牛乳やチーズ・ヨーグルトが代表的。豆腐などの豆製品や、ゴマや煮干しなどにも多く含まれています。バランス良く栄養素を摂取するのが理想ですが、朝からあまり沢山食べられないという人はビタミンやカルシウムを含む食品を中心に選ぶと良いでしょう。よく噛んでゆっくり食べると消化にも良く、栄養素の吸収も早くなります。

緊張でストレスを感じやすい人は、ストレスを感じた時に大量に消費されるビタミンCを多く含む食品を摂りましょう。ビタミンCは水溶性で、調理することによって栄養素が食品から流れ出てしまいます。野菜や果物を生のまま食べると効率よくビタミンCを摂取することが出来ます。キウイ・グレープフルーツ・オレンジなどをそのまま食べても良いですし、ヨーグルトと一緒に食べても効果的ですね。

寝不足を解消する

人は睡眠で身体を休め、脳を修復しています。睡眠が足りないと身体が十分に休まらず回復も間に合わない為、「戦闘ホルモン」と呼ばれるアドレナリンやノルアドレナリンなどが分泌されます。その結果少しの緊張でも交感神経が異常に活発に働き、吐き気に繋がってしまうのです。緊張しない身体を作る為に睡眠はしっかり取りましょう。

睡眠のポイントは熟睡すること。寝不足と言うと「睡眠時間が短い」と連想しがちですが、睡眠時間が長くても熟睡出来ていなければ寝不足になってしまいます。8時間~10時間と睡眠時間が長くても、眠りが浅いと疲れが取れず「寝たはずなのに眠たい」と感じるのです。少なくとも6時間しっかり熟睡出来ると体調が整えられ、緊張で吐き気も起きにくくなるでしょう。熟睡する為には適度な肉体疲労が必要です。日中に太陽光を浴びたり、可能であれば適度な運動などで身体を動かしましょう。また寝る直前までゲームをしたり布団に入ってから携帯を触ると脳の興奮が収まらず、熟睡の妨げになってしまいます。寝る30分前までにはゲーム・テレビ・携帯・読書などを終わらせましょう。緊張やストレスに負けないように、しっかり熟睡して体調を整えておくことをおすすめします。

衣類による締め付けを無くす

下着やウエストのゴム、ベルトなどで身体を締め付け過ぎていませんか?緊張している時には自然と身体に力が入ります。それに加えて衣類の締め付けで身体を長い時間圧迫してしまうと、血流・血管を調整している交感神経が刺激を受け続けることになります。その結果交感神経が異常に働き、吐き気を引き起こすなど身体に様々な不調が表れます。

緊張で吐き気を催しやすい人は衣類による締め付けに注意しましょう。締め付けの少ない衣類を選ぶことで身体への負担が軽減され、血流も良くなり代謝も上がります。交感神経が異常な働きをすることも無くなるので、体調面でなく不思議と気持ちも楽になるでしょう。身体のどの部位であれ、衣類の締め付けによる不快な連続刺激は交感神経を異常に働かせる原因になってしまいます。ストッキングやネクタイ・ベルト・ゴム・スーツのサイズなどを、今一度見直してみてはいかがでしょうか。

まとめ

体調面・精神面の両方から対処法を実践し、心身を整えましょう。緊張で吐き気に襲われる恐怖で、人前に立つのが怖くなる時もあるかもしれません。いきなり克服することは難しくても、対処法をひとつずつ試して毎日心掛けることで自然と緊張に強い身体が作られていきます。ゆっくりマイペースに、緊張や吐き気と向き合ってみてくださいね。

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