部下後輩のモチベーションの上げ方と絶対やってはいけない3つのこと

言われたことだけを機械のようにこなす部下や、ただ指示を待つ部下よりも、個々がやる気を持って自発的に動いてこそ組織の質は高まり成果もメキメキ上がります。何よりモチベーション高く意欲的に行動してくれる部下の方が、スピード感を持って楽しそうに仕事に取り組んでくれるもの。

モチベーションが低いことを、部下のせいにしても始まりません。近くにいるからこそ、モチベーションアップのきっかけを与えることができます。部下のやる気のサイクルを回せるように様々なアプローチを試みましょう!


この記事では、部下や後輩のモチベーションの上げ方を『外発的動機づけ』『内発的動機づけ』の2種類に分けてまとめました。後輩ができた時や教育係に任命された時など、相手の個性や状況に応じて使い分けてみてくださいね!

そもそも『モチベーション』とは何ぞや!

『Motivation(モチベーション)』とは、人が何かをするときの「やる気」「意欲」のことを言います。ビジネス用語としてのモチベーションは『動機(づけ)』と解釈されることも多く、自分の内から湧き出る「やる気」「意欲」を『内発的動機づけ』、外からの刺激を『外発的動機づけ』と呼び大きく2種類に分けられます。

目標あってこそのやる気ですが、内から湧き出るやる気があってこその目標達成でもあります。昇進・昇格、またお金を得るために働くというのもひとつのモチベーションですが、これはあくまで一時的なもの。やりがいや自身の成長を感じる方が、高いモチベーションを持続しながら長期的に仕事に取り組むことができます。

とはいえ、仕事で成果を上げ続けるためには内発的・外発的動機づけのバランスが大切。どちらが欠けても部下のモチベーション低下の原因になってしまいます。ここからは、2つのモチベーションとそれぞれの具体例を見ていきましょう!

『アメとムチ』による外発的動機づけ

外発的動機づけとは、簡単に言えば「やらないと怒られる」「やれば褒めてもらえる」など、自分ではない誰かから与えられる『アメ』と『ムチ』が仕事のモチベーションになることを言います。

「〇〇さんが怖い」「怒られたくない」という恐怖で、その人が近くを通るだけで背筋が伸び、集中力・緊張感が高まる…なんて経験を過去にした人もいるのではないでしょうか。これも外発的動機づけの分かりやすい例です。また、商品の販売件数など数字で目に見える実績や達成すべき目標や、「昇給・昇進のために仕事を頑張る!」というのも外発的動機づけ。

このような成功・活躍したいという願望と失敗を恐れる恐怖が、外から与えられるモチベーション(アメとムチ)になるのです。

届く目標を設定する

部下に頑張る目安と成長の機会を与えるために、目標を設定しましょう。目標を決めることで『何をどれくらい努力すればいいのか』が明確になり、目標達成に向かって具体的に行動を起こせるようになります。

ポイントは『届く』目標を設定すること。到底達成できない高すぎる目標は、モチベーション低下の原因になるので注意が必要。人は難し過ぎる目標を目の前にすると、やる前から諦め感を抱きやる気を喪失してしまいます。しかし、だからといって簡単過ぎる目標を設定すれば、面白みを感じられないことが原因でモチベーションが低下してしまうのでこれまた注意が必要。部下のレベルに応じて『がんばれば手が届く目標』を設定しましょう。

また目標が「とにかくたくさん売る」「営業がんばる」では具体性に欠けるため、部下のモチベーションは引き出せません。『どれくらい』という目標を数字で表し、『いつまでに』という期限を作るのも目標設定のポイントです。

実績を見える化する

実績を数値化することで部下の調子を目に見えて把握することができ、個別に声を掛けるタイミングを見計らうことができます。部下自身も自分の現状を把握しながら仕事ができる上に、実績が見えることで成長を実感できたり「もっと頑張らなければ…!」と不足に気付くきっかけにもなるでしょう。

また自分以外の実績を目で見てライバルの存在を意識させることで、部下の競争心を刺激することができます。「ライバルに負けないように頑張る」というのも、外発的動機づけを活用したモチベーションを上げる方法のひとつです。

嫌われる勇気

ただひたすらに仲良しこよしの関係では、いずれ妥協にまみれた「なあなあの関係」になってしまいます。友達のように何でも気軽に言い合える環境作りも大切ですが、指摘や間違いを正す「言う時は言う」勇気も必要です。

厳しい先輩・怖い上司の存在は、部下や後輩の恐怖心を刺激し「今すぐやらなければ!」という突発的なモチベーションを引き出すことができます。「厳しい」と思われたり「苦手」と煙たがられたり、教える側も人間ですから部下の反応に心痛めることもあるかもしれません。しかしその人を想っての発言であれば、気持ちは必ず伝わるもの。

仕事である以上、友達のような関係だけではいられません。嫌われる勇気をもって間違いは正し、かわりに褒めるときは心からの笑顔でしっかり褒めましょう。

『やりたいからやる』内発的動機づけ

内発的動機づけはご褒美を得るためでも罰を避けるためでもなく、部下自身が「やりたい!」と思って行動することを言います。

内から湧き出る自発的なモチベーションがあれば、昇進・昇格・賞与・給料のためでなく、自分自身の成長や人間的魅力・満足感を高めることを目標に、自ら率先して行動を起こせるようになります。

好奇心や心を刺激して「楽しい」「ワクワク」する気持ちを引き出し、部下自らがやりがいを見出して仕事に熱中できるようにアシストしていきましょう!

部下に仕事を任せる

部下に仕事を任せて、挑戦と貢献のチャンスを与えましょう。仕事を任せることで、使命感や責任感など内から湧き出るモチベーションを引き出すと同時に、認められたいがために頑張る外発的動機づけも刺激することができます。

ただ、任されることで想像以上にプレッシャーを感じている場合もあります。何のフォローも無しに全てを任せてしまうのではなく、成功体験ができるようにマメな声かけや手助け・詳細丁寧なアドバイスも抜かりなく。大切なのは成功を体験してもらうこと。

任された仕事をやり遂げた後の達成感や「自分にもできる!」という成功イメージが、仕事をどんどん楽しくさせてくれます。部下のモチベーションを維持するためにも仕事を任せ、アドバイスをしながら成功まで持っていきましょう。その結果部下も仕事を楽しく感じるようになり、セルフモチベーション力を高めることにもなるのです。

褒める

最初はどうしてもできない所が目立ち、つい指摘や訂正一辺倒になってしまうかもしれません。しかし最初は何だってできなくて当たり前、慣れてきても人間ミスのひとつやふたつするでしょう。嫌な顔をしたり叱るばかりではなく、時には良いところに目を向けて褒めるときはしっかり褒めましょう。

部下のやったことに対して正当な評価を与えることが、モチベーション・行動の原動力になります。「何でもできて当たり前」ではなく、褒める時は褒めてやる気のサイクルを回しましょう!

コミュニケーションをとる

部下の話にしっかり耳を傾けるだけでもモチベーションは変わってきます。「分からないことがあればいつでも聞いて!」と伝えておいても、恐縮して「こんなことを聞いていいのか…」「迷惑じゃないか…」と小さな問題を抱えたまま動き出せずにいるかもしれません。自分から声をかけコミュニケーションを取り、何かあった時に聞きやすい環境をつくっていきましょう。

  • 困っていることがないか
  • 順調か
  • 分からないことはないか
  • 調子はどうか

コミュニケーションをとると言っても、時間をとって深い話をする必要はありません。「おはよう」「お疲れ様」の一言をはじめ、たわいのない短い声掛けの積み重ねでも話しかけやすい空気を作ることができます。

また先輩・上司・教える立場になっても初心を忘れず「自分も最初はこうだった…」と、失敗談を交えて部下の気持ちに寄り添うと、親近感も沸きモチベーションも上がります。「いつかはこんな風になれる」と思える人物が近くにいることも、モチベーションを上げる要素になるものです。

笑いやすい環境づくり

『笑い』はコミュニケーションにおいて大切な要素。いつもきりっと真面目な表情で、シリアスな話ばかりをしていては気疲れしてしまいます。ユーモアのある明るい雰囲気を作り出すために、時には笑顔で冗談や面白い話も交えてみてはどうでしょうか。

後輩や部下との世間話を楽しむだけでも、話しやすさや空気感は変わってきます。部下が仕事が楽しいと思えるかどうかは、職場の人間関係も大きく影響してきます。何気ない冗談もユーモアも認めて、自分も部下も笑いやすい環境づくりをしていきましょう。

感謝を伝える

ムチばかりでは人は育ちません。言葉で伝えてもいいし、ほんとにアメをあげたっていいんです。要は気持ちが伝わりさえすれば、それでOK。感謝できる人の元には、感謝できる人が育つもの。小さなことでも構いません。いえ、小さなことほど見逃さず笑顔で感謝を伝えましょう。

感謝を忘れず良好な人間関係を築くことで、部下も感謝の気持ちを持って自分でモチベーションを高めながら行動できるようになります。「ありがとう」と言ってくれる人が近くにいることで、自分のモチベーションを人任せにせず、置かれた環境でベストを尽くすことに専念しようとする心が育つのです。

認める

部下のモチベーションアップには、そばにいる人の『承認力』が必要不可欠。人は自分の仕事が評価されたり、認められると承認欲求が満たされ「もっと頑張ろう!」とモチベーションが上がります。部下の存在を100%認めてあげることで、自発的に動く意欲を育てることができるのです。

「自分は必要な存在だ」と承認欲求が満たされ、「役に立っている」と実感することで部下の有能感が高まれば、難しい仕事を与えられても「自分ならできる!」と自分を奮い立たせて頑張ることができるようになるでしょう。

逆効果!絶対にやってはいけない3つのこと

人格を否定する

モチベーションは、言葉ひとつで簡単に削ぐことができてしまいます。部下のミスや失敗だけでなく「お前はダメなやつだ」「何をやらせても中途半端だ」「何もできない奴だ」など、人格や人間性まで否定しないように気を付けましょう。

その場の怒りやイライラにに任せて、言葉を言い放ってからフォローしても後の祭り。「そんなつもりじゃなかった」「気にするな」という言葉も、既に傷付いてしまった相手の心には届きません。相手にも心があることを忘れず、感情のままに言いたいことを言いたいだけ言う前に、一呼吸置いて考えてみてはどうでしょうか。

意見を全否定する

部下の意見や自発的な行動を全否定するのはやめましょう。本人なりの考えがあってこその発言・行動かもしれません。話を最後まで聞かず意見の交換もせず、頭ごなしに「違う」と決めつける前に、話を聞く姿勢で接してみてはどうでしょうか。

人は自尊心を傷付けられると動けなくなります。何を言っても否定され聞き入れてもらえないと感じると、「やってられない!」といつか爆発してしまうかもしれません。自分と同じ意見・自分と同じタイプが正しいとは限りません。たとえ自分と反対の意見だとしても「そういう考えを持っているんだね」と、まずは受け入れることから始めましょう。

感情的に怒る

その場で感情のまま叱り倒した場合、部下は怒られないように忠実に動いてくれます。「怒られたくない」という外発的動機づけが働き、真面目にしっかり頑張ってくれるでしょう。しかし恐怖によるモチベーションは、あくまで一時的なもの。恐怖で人を動かすには限界があるのです。

ミスの大小に関わらず毎回感情的に怒ってばかりいると、部下は自分の全てを否定されたように感じモチベーションは急降下。「なにをやってもダメなんだ」「やること全てが不正解なんだ」と思い込むようになってしまいます。仕事が叱責に耐えるだけのものになってしまえば、モチベーションはおろか気持ちは落ち込み遅かれ早かれ精神を病んでしまうでしょう。

認められたい願望や怒られたくない恐怖など、短期的なモチベーションを引き出す外発的動機づけも必要ですが、長期的にモチベーションを維持するには内発的動機づけを刺激する方が効果的。褒める9割叱るは1割で充分です。内から湧き出すモチベーションに重きを置いて、部下に接してみてはどうでしょうか。

まとめ

「言っても分からない」「何も響かない」なんて諦めるのは簡単です。他人のやる気スイッチは目に見えないからこそ、様々な角度からのアプローチが必要です。どの方法が部下にヒットしてモチベーションが上がるかは分からない以上、試しながら正解を探すことになるでしょう。

モチベーションのアップダウンは本人次第な部分もありますが、それでもモチベーションを上げるきっかけを与えることはできるはず。忘れてはいけないのは『人間対人間』だということ。仕事の不満のほとんどは人間関係によるものだと言います。良好な人間関係を築くことを忘れず、部下のモチベーションアップをはかりましょう!

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